六腹町会

作って、計算して、読んだものの記録です

C89頒布 電気回路表紙の修正方法

本記事は、コミックマーケットC89 31日木曜日 西地区 み-06aにおいて頒布した「電気回路になる表紙」の修正方法について説明いたします。

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この表紙はコミケで販売した同人誌を購入してくださった方に無料でサービスしたものです。
AgICの販売している銀ナノ粒子インクを用いて印刷することで、紙の上に電気回路を形成しています。
ボタン電池を電源として、チップLEDと7セグLEDを光らせる仕組みになっています。
この表紙の作成方法は本ブログのこちらの記事をご覧ください。

電気回路表紙の作り方 - 六腹町会


この表紙はまだ試作中のため品質が安定しておらず、売り物にならないと判断して、コミケでは購入者への無料サービス扱いにしました。
ですが考えてみますと、購入者の多くの方はこの表紙が欲しくてお金を払っていたに違いありません。
表紙が面白そうだからこそ購入したのに、その肝心の表紙が動かないということでは大変残念な思いをされたことでしょう。
それは大変申し訳ないことです。
そこで購入した皆様に対して可能な限りサポート、交換、修正を行い、正常に動作する品質の表紙を楽しんでもらいたいと考えました。



まず手始めに、全ての表紙が共通して抱えている「電源不安定」問題の修正方法について、ご家庭でもできる修正方法を本記事で解説させていただきます。

この表紙はボタン電池ホルダの接触が弱く、安定して電源が供給されません。
表紙を水平に置いているときはいいのですが、本を持ち上げたり、立てたりすると以下の写真のように電池と表紙の間に隙間ができて電気が不通になってしまいます。
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両端の電極を接着剤で固定することで、この問題は解決します。
以下のように電池ホルダを抑えながら、電極の上から接着剤を塗り、乾くまで固定してください。
そうすることで紙と電極が固定されて、安定した通電が可能になります。
乾く前に手を離すと、電極と紙の隙間に接着剤が侵入して電気が通らなくなってしまうのでご注意ください。
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これを両端について行います。以下のように電池ホルダが表紙に固定されることで電源が安定して供給されるようになります。
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ですが、まれにこれでも接触が不十分な場合もあります。
そのような時は、導電テープを貼るという方法もありますが、その方法はまた別の機会に紹介したく思います。

他にもチップLEDと7セグLEDの接触不良で動作しない場合もあり、それらの修正は電子工作に慣れている人でないと難しいと思われます。
今後、電池ホルダの固定をしても動作しない表紙については、私の方で表紙を回収して、修正もしくは交換していきたいと考えています。

この記事を読まれた方の中に、コミケで本表紙を購入し、正常に動作していないという方がおられましたらご連絡ください。



以下余談


私は今回、コミケ初参加でした。
初めてのコミケでサークル参加というのは無謀だったと思いますが、知人のアドバイスや、コミケ当日にお会いした周囲の参加サークル様の助けで何とか無事に終えることができました。
この場を借りて、それらの方々にはお礼申し上げます。


初めて参加してみて、コミケというのはお祭りだと実感しました。
私の地元では全国から3日間で150万人も集まる規模の祭りがあるのですが、コミケはそれとよく似ていました。

祭りには、有象無象の人々が大量に集まります。
祭りの熱気を楽しみたい見物人、噂を聞いてやって来た外国人、神輿を担ぐ参加者、儀式を行う神職、一儲けしようと集まる商売人、ゴロ行為を働く裏家業者やヤクザ者、裏方に徹して祭りの世話をする町内会の人々、祭りを監督する行政機関や警察。
そこには、聖も俗も、良きも悪しきも入り混じることで生まれる活力と熱気があります。
コミケにもそれらの全てがありました。
簡単に言えば、コミケという場に参加して とても楽しかったです。


祭りは珍奇にして希少なるものを神へ奉納する場でもあります。
コミケでは同人誌がその奉納する物にあたると解釈できます。
私はせっかく祭りに参加するのだから、なるべく面白い物を奉納して参加者を楽しませたいと考えました。
そこで私は今回のような電気回路表紙を作成することを計画しました。

実際には、私事で恐縮ですが年末に仕事が忙しくなり、作業をできたのは29日と30日だけでした。
そのため動作検証に使える時間がなく、品質が不安定になり、参加者を十分に楽しませることができなかったと悔やんでいます。

次の機会があれば、十分な時間をかけて品質の安定した、更に珍奇な物を作成したいと思います。